大型犬の慢性嘔吐を呈した好酸球性胃腸炎

8歳を過ぎた雄のサルーキーが以前(2年程前)から季節の変わり目などに朝方に嘔吐することがあったが、ここ最近夜にも何度か吐くようになってきたという症状で来院。血液検査では好酸球が少し高いという特徴がある以外、生化学検査も全て正常だった。単純X線写真では胃壁がやや肥厚していた程度で特に異常は認められなかった。そこで次に胃の内視鏡検査を実施した。下の写真(胃カメラ)で左は胃粘膜が腫れて胃壁のひだが無くなっているのが分かる。右は粘膜表面に白っぽい点状の小隆起が点在している。   
 

 

胃の内視鏡検査により数ヶ所の胃粘膜をバイオプシーし、病理組織検査をした結果、好酸球性胃腸炎という診断でした。犬の好酸球性胃腸炎はアレルギー性の原因があると言われており、まずは低アレルギー食に変更する必要があります。症状が軽度であれば、食事療法と胃炎や嘔吐に対する対症療法だけで改善しますが、重度のものであれば、ステロイド剤やその他の免疫抑制剤を使うこともあります。いずれにしても厳密な食事療法が必要です。

 

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