11歳を過ぎたネコちゃんは老化現象が目立つようになってきます。
最近ではネコちゃんも15〜20歳と長生きする傾向にあり、高血圧や糖尿病、認知症などになるケースも増えています。
老化に備えると同時に、定期健診で老化に伴う病気の早期発見を心がけましょう。
このページでは11歳以上のネコちゃんとの暮らしで気を付けていただきたいことを記載しています。
基本的な予防や病気については、「ネコちゃんの健康管理」についてのページをご覧ください。
ネコちゃんにおこる老化現象としては以下のようなものがあります。
年をとったネコちゃんは筋力の低下も相まって運動量の低下が起きます。また、上下運動も苦手となるため、間取りや遊び方にも工夫が必要です。
11歳を超えると、高齢になり、筋肉は衰え体力も落ちてきます。そのため、以前のような活発に動く遊びは難しくなります。ですが、少しでも刺激になるように時々遊びに誘ってあげましょう。
高さのある遊びは肢に負担をかけるため、なるべくネコちゃんの目線あたりの低い所で遊んであげてください。
ネコちゃんは狩猟本能があるため、捕まえることのできる、ネズミや猫じゃらしなどのおもちゃを使用してあげると満足感が高いかもしれません。
遊びのペースはネコちゃんに合わせ、遊びをやめたら中止して深追いはしないようにしましょう。また、遊びの形を変え、ネコちゃんを触ってあげる、声をかけてあげるなどの精神的満足を与えるスキンシップを兼ねた遊びも増やしてみてはいかがでしょうか?
電子レンジでフードを温めて与える
飼い主さんの手からフードを与える
大きな口の容器を使用する
水飲み容器を台の上に置く
ネコちゃんに最も多いのが腎臓に関する病気です。老齢ネコちゃんの25%は少しずつ腎臓の機能が低下していく「間質性腎臓炎」になっているともいわれます。腎機能の低下はゆっくり起こるため、飼い主がネコちゃんの異変をキャッチするのは難しく、従来の検査で腎機能の異常が認められたころには腎機能が通常の1/4まで落ちていることも珍しくありません。
飲水量(1日)体重1kgあたり
100 ml以上飲むと多い
尿量の増加
においの減少
腎臓に病気の見つかったネコちゃんは、これまでのフードから療法食に切り替える必要性が出てきます。
グルメなネコちゃんにとってフードの切り替えには気を使ってあげる必要があります。
病気が進行するにしたがって、食欲は落ちていきます。一般的な療法食は食欲が落ちた時に切り替えるのは非常に困難です。症状が軽く、食欲のある段階での切り替えを行いましょう。
切り替えには最低7日、最長4週間かけて徐々に切り替えていきましょう。
・フードの切り替えには「混合法」と「2皿法」の方法があります。
・「混合法」今までの食事と療法食を9:1の割合で1つの皿に混ぜ、それを食べてくれたら徐々に今までの食事を減らし療法食を増やしていきます。
・「2皿法」今までの食事を約9割の量で皿に入れ、その隣の別の皿に1回の食事量の1割の量の療法食を入れて置きます。最初は療法食を残すかもしれませんが、その後徐々に今までの食事を減らし、療法食を増やすと空腹から療法食も食べるようになります。ネコちゃんによっては2皿法の方がうまく切り替えられます。
・口が広くて浅い食器を選びましょう(ひげが当たるだけで食べる気をなくすことがあります)
・材質は陶器やステンレスがお勧めです(プラスチックだと汚れやにおいが残りやすく不衛生です)
・食器は毎回洗いましょう(食べ残しなどがあると風味を損なうだけでなく、健康にも悪影響です)
病院からの帰宅後すぐの切り替えは避けましょう。ストレスで気がたっています。ネコちゃんが落ち着いてから新しい食事に切り替えてあげてください。
若い頃、鋭かった爪が歳を重ねるとともに爪とぎをしなくなり、分厚くはがれにくくなっていきます。爪切りをしないまま放っておくと肉球に刺さってしまいます。定期的に足先も見てあげてください。
新しいネコちゃんを迎えると新しい刺激となり、先住ネコちゃんが元気になるという話を聞くこともあるかと思います。ですが、高齢ネコちゃんにとって新しい家族が増えるということは制限が生じるため負担になることが多いと言えます。
特に子猫ちゃんを迎えると動くことが億劫になっている高齢ネコちゃんにとってはストレスになることもあります。実際はネコちゃんの性格によるところも大きいですが、新しい家族を迎えるかはよく考えてからにしましょう。上手くいかなかった時の場合も考え、別々の空間スペースでの生活を確保してあげるようにしましょう。
お家での間取りの工夫
歳を重ねるにつれネコちゃんも感覚が弱くなり、臭いが分かりにくい、視野が狭くなる、耳が聞こえにくくなる、高いところへジャンプできなくなるなど身体の変化が出てきます。
長年住んでいる家の配置は覚えている為、徐々に出てくる加齢による身体の変化には対応できます。しかし模様替え、引っ越しなどの急な家具の配置の変化は大きなストレスの原因ともなりますので避けるようにしましょう。どうしても模様替えが必要な場合には少しずつ進め、角にはクッション材を貼ったり、フェロモン剤をスプレーするなどの工夫をしてあげて下さい。引越しの場合には家具は前の物を使い、配置も似せるなどの工夫をしてあげて下さい。