ゴールデンレトリーバーの線状異物による嘔吐・食欲廃絶

11歳のゴールデンレトリーバーがいつの間にか飼い主の知らないうちに、綿の厚手の布製品を呑み込んでいて、その布が一部ほずれていて、胃から小腸までその糸によりたぐられて、布自体が小腸に閉塞を起こしていた。下の左の写真は超音波検査により、たぐられた腸とその中心に高エコー(白いライン)がみられ、右のレントゲン写真では線状異物に特徴的なガス像が見られた。 

 

 

 
 この子は開腹手術により胃切開と、小腸を3ヶ所切開し、異物を摘出したが、小腸全体に粘膜下織までの損傷があり、術後の腹膜炎等が懸念されたが、経過は順調で6日目に元気に退院した。開腹時、脾臓に2.5cm程の円形の腫瘤(右の写真)が認められたため、脾臓摘出も実施したが、病理組織検査の結果は脾臓の結節性過形成というもので、腫瘍ではなく組織の一部が過形成をおこしているだけなので、切除をすれば問題ないというものでした。

 

 

 

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