20歳のネコさんが元気食欲の低下で来院した。この子は以前に交通事故で骨盤骨折の手術をしており、骨盤腔の狭小化による便秘症もあったため、糞塊の除去も実施した。ルーチンの血液検査ではPCVが73%もあり、かなりの血液の過粘稠度症候群になっていた。動物の場合は組織の低酸素症が起こるような慢性呼吸器疾患や先天性心臓病の他、骨髄増殖性疾患や腎臓腫瘍やその他のいくつかの腫瘍に見られます。猫の場合はほとんどがリンパ腫が原因ですが、針生検による細胞診をしたところ、左の腎臓に上皮系腫瘍(癌)ができていたために、造血因子であるエリスロポイエチンが過剰に生産され、その結果、赤血球が生産し続けて多血症になっていたと考えられる。飼い主の方も年齢が年齢なので、積極的な治療は 希望されなかったため、瀉血と輸液を必要なときに定期的に行うだけとした。それでも本人は何とか食事も食べられ、普通の生活ができるようになっている。
下の写真はレントゲンと超音波検査の画像です。