チェリーアイに良く似ている瞬膜(第三眼瞼)の腫瘍(腺癌)

9歳のトイプードルの右目がおかしいということで来院した。一見瞬膜の腫れ方からするとチェリーアイのようだが、チェリーアイ(先日の症例写真①)は通常2歳以下の若い年齢に多いのに、この子は老齢になって発症しており、チェーリーアイにはほとんど見られない目やに(眼脂)が多く(写真②)目の周囲が汚れていた。また瞬膜を反転するとチェリーアイのように表面がスムースではなく、凹凸がある(写真③)ので、まずは腫瘍を疑って、ニードルバイオプシーを行なったところ、あまり悪性度の高くなさそうな上皮系の腫瘍細胞が見られた。その為飼い主の方と相談し出来るだけ腫瘍をしっかり切除し、その摘出した腫瘤を病理組織検査に出すことにした。その結果は第三眼瞼腺由来の腺癌ということでした。動物の第三眼瞼腺由来の癌の報告はかなり少なく、予後などについての報告は非常に少ないので分からないというコメントでしたが、局所再発は充分考えられるので要注意ということになる。

写真①            写真②

写真③

コメントは停止中です。