まだ2~3歳の若い雑種犬がKDPに保護された時から、右の前肢の肢端部が欠損しており、著しい跛行があった。おそらく交通事故に遭って先端が切断されたか、喧嘩傷が化膿して欠損してしまったのか、原因は分からないが、未だに先端の残った組織の化膿と壊死があった(写真①②)。この状態では全身性に感染症を起こす可能性と常に疼痛を伴っていることから、感染を充分コントロールした後、外用処置を続けて肉芽組織があがったら、手術をすることをお勧めした。しかし施設内でのきめ細かな面倒がみられないということがあり、肉球の移植を含む修復手術は実際不可能と判断し、やむなく断脚手術を選択した。(術後の写真③)。手術後は元々長期間の跛行があったせいか、退院時には走れるようになっていましたし、抜糸で来院したとき(写真④⑤)には何の違和感も無く、歩いたり走ったりしていた。元気も以前より出てきたそうですし、あとはどなたか里親さんが決まってくれると良いのですが。
写真①②
写真③
写真④⑤