11歳の犬の大腿部皮下にできた悪性神経鞘腫

11歳の雌のイングリッシュセッターが昨年7月に大腿部外側皮下に1センチ程の腫瘤があった(写真①)が、最近になって大きくなってきたということで来院。細胞診をしてみると非上皮系の悪性腫瘍を疑わせる所見が得られた為、口腔内の第3後臼歯の横に存在した歯肉の腫瘤(写真②)と共に切除バイオプシーをすることになった。大腿部の腫瘤は悪性腫瘍を想定して、周囲2cm以上のマージンを取り、深さに関しては下層の筋膜まで剥離して切除した(写真③)。病理組織検査結果は大腿部皮下の腫瘤は悪性神経鞘腫で腫瘍辺縁の神経束等に腫瘍細胞の浸潤は無いという結果だった。しかし切除した周囲の定期的なチェックは必要でしょう。この腫瘍は比較的稀な腫瘍と言われているが、先月にも遭遇しており症例報告しているが、以外に多い腫瘍なのかもしれない。歯肉の腫瘤は線維腫性歯肉腫(別名・周辺性歯原性線維腫)という良性腫瘍だった。

写真①

写真②

写真③(術後)

 

 

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