ラブラドールレトリーバーの頭頂部の皮膚の炎症性偽腫瘍

6歳半のラブラドールの頭頂部の皮膚に大小の腫瘤が存在、最近増大傾向になってきたので見て欲しいと言うことで来院。大きい腫瘤のニードルバイオプシーの細胞診では紡錘形の非上皮系腫瘍のような細胞が見られたため、万一悪性腫瘍だといけないので、摘出手術をお勧めした。摘出手術後の病理組織検査結果は小さい腫瘤は脂腺腺腫という良性腫瘍。大きい方が炎症性偽腫瘍。この病変はどんなものかというと、反応性、炎症性の組織像を背景に紡錘形細胞の増殖を示す腫瘤性病変で、非腫瘍性病変と考えられていたが、近年の研究で、この診断名を用いる病変の中には筋線維芽細胞の腫瘍性増殖が含まれていると考えられている。動態は明らかではないが、良性もしくは低悪性度の腫瘍性病変を否定できないため、念のため経過観察が必要だろう。

 

 

 

 

 

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