老齢の日本猫が、食欲が減少してきた、口の周囲がいつも汚れるようになった、下顎が少し腫れてきた、という主訴で来院された。飼い主の方は口内炎か歯の問題があるのではないかと思っていらしたようだったが、口腔内を見てみると右の下顎犬歯の後方の歯肉から舌下の粘膜にかけて腫瘤と壊死した白色部分があり、触れることをいやがっていた。この部分のスワブによる細胞診の結果、扁平上皮癌であることがわかった。飼い主の方とのご相談の結果外科手術や化学療法は希望されず、内科的な緩和治療を望まれましたので、自然療法の一つホモトキシコロジーや制癌作用のあるサプリメントなどで対応し、痛みが伴ってきたら、より強い鎮痛剤を使っていくことになった。下の写真はは口腔内の様子と顎の腫れを示している。