ネコの腟脱

5才のネコ(バーマン)が自宅にて4頭の子猫を出産し、その後さらに力んで膣が脱出してきたとのことで来院された。
来院された際は、7〜8cmの長さで膣が脱出しており粘膜からの出血、血行不良のため黒ずんだ部位も見られた。また、膣が脱出してから来院までは1時間ほど経過しており、かなり腫れている状態であった。
鎮痛剤を投与し、胎児が残っていないかを確認するためにレントゲン撮影を行なった。胎児は確認されなかったため、脱出した膣を暖かい生理食塩水で洗浄し体腔内へと押し戻した。その後、生理食塩水を注入し再脱出を防止する目的で陰部を1糸縫合した。

腟脱は犬で発情期や分娩時にごく稀に発症するとされており、猫での発症も稀だと思われる。出産を予定していないのであれば卵巣・子宮摘出を行うことで腟脱の予防はできる。今回のような出産直後の腟脱や子宮脱は予防策はないが、できる限り早急に来院していただき処置する必要がある。

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