犬の多中心型リンパ腫(StageⅤ)の1例

8歳の雑種犬が首にシコリがあるとの主訴で来院されました。

問診では、1週間前から元気がなく、食欲も低下して昨日からは下痢もしているとのことでした。

身体検査では、体表リンパ節と呼ばれる下顎・浅頚・腋窩・鼠径・膝下リンパ節が腫脹しており、さらに脾臓も大きく腫大していました。

血液検査では貧血、血小板減少および白血球増多が見られ顕微鏡による血液塗抹の観察ではリンパ系腫瘍細胞が出現しており分裂像も確認されました。

炎症のバイオマーカーであるCRPも高値を示していました。

追加検査としてレントゲン検査、リンパ節の細胞診検査を行い、

多中心型リンパ腫 Stage5b(Bcell high gradeを疑う)

と診断しました。

 

オーナー様と相談して化学療法(UW-25プロトコール)による治療を行うこととしました。

治療開始してから1ヶ月程度は一進一退の状態でしたが、2ヶ月目には完全寛解となり本人は元気いっぱいで、食欲旺盛なために太ってしまうとオーナー様もうれしい悲鳴をあげていました。

 

まだ化学療法治療は続きますが、犬・家族・病院スタッフでのチーム医療で頑張っていきます。

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