脾臓のマス(塊)病変のあった犬2例

 

1例目は8歳のゴールデンレトリーバーで原因不明の体重減少があったため、健康診断を兼ねて検査をしたところ、血液検査で肝酵素の上昇があり、X線検査をしたところ、中腹部にマスがあり、エコー検査の結果、それが脾臓の腫瘤であることが分かった。後日手術により脾臓摘出、病理組織検査の結果は脾臓の結節性過形成(非腫瘍性病変)。

 

 

2例目は13歳のウエルシュコーギーで朝から急に元気食欲がなくなり、夕方から横になって動かないという主訴で来院した。検査結果は貧血、白血球上昇、X線検査とエコー検査で腹部マス(脾臓)2ヶ所が認められ、腹腔内に出血があることが確認された。

 

 

すぐに緊急手術を実施、腫瘤のある脾臓の全摘出と腹腔内に出血していた血液を800cc程回収し、自己血輸血を行なった。術後は回復も早く2日後に退院し、現在も元気にしている。

 

 

病理組織検査の結果、肝臓のマスは肝細胞のグリコーゲン貯留と脂肪蓄積、脾臓のマスは過形成でした。

2例とも脾臓の結節性過形成という非腫瘍性病変でしたが、1例目は無症状、2例目は脾臓の過形成からの腹腔内の出血で貧血になり、動けない状態で来院している。ですから脾臓の腫瘤が見つかったら、できるだけ早い時期に手術による摘出を実施することをお奨めいたします。

 

 

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