日本動物病院協会(JAHA)の認定病院指定セミナー「一歩先行く軟部外科」というタイトルの国際セミナーが1日6時間で3日間連続で開催された。尿失禁の外科、特に異所性尿管の最小侵襲手術として硬性内視鏡とダイオードレーザーを用いた手術は当院でも機器は揃っているので実施可能であることを知った。また乳び胸に対する最小侵襲手術は胸腔鏡とシーリングシステムを用いた手術で乳び槽の切断と破壊により成功率88%ということなので、今後の実施も考えてみたい。その他胸腔ポートを用いた乳び胸の治療も器具が手に入ればやってみたい方法だ。また軟口蓋過長症と喉頭蓋後反の治療も確実な方法が示されたので、早速応用してみたい。気管虚脱は最近ニチノールという合金で出来た拡張型気管ステントがあり、予後も大変良くなっているそうだが、このステント1つの原価が$1100だそうなので、正に呼吸困難になった時の緊急手術に用いるものだと思った。その他犬の喉頭麻痺の診断治療、特にタイバック法について詳細な説明があったので、分かったつもりだが、実際に応用するまでにかなり練習をしないと難しい方法だ。肝臓がんの切除に自動ループ式結紮器を用いる方法は実にシンプルで確実な方法なので、実施してみるつもりだ。また今後は最小侵襲手術としての腹腔鏡や胸腔鏡を駆使した方法が次第に動物にも日常に応用されるようになっていくので、今後は症例を重ねて技術を向上させていきたいと思っている。