WJVF西日本獣医学フォーラムに3日間出席してきた。今回は猫医学シリーズが加わったこともあり、猫医学をメインに教育セミナーを受講してきた。興味深かったのは猫の皮膚病の原因だ。精神的要因が38%、皮膚炎(耳疥癬、ノミアレルギー、食物アレルギーなど)16%、感染症11%(内6%が糸状菌いわゆるカビが原因)先天性2%、その他10%。つまり猫の皮膚病には精神的要因が4割近くあるということになる。また猫の便秘の治療に新しいお薬が使われるようになった。今までの液体の緩下剤よりも効果があり、閉塞時の腸管洗浄剤として投薬することができる。またISFM(国際猫医学会)から発表された糖尿病の治療のガイドラインの内容と実際の治療法の注意点やインスリン・デテミルの使用法など、糖尿病ケトアシドーシスの治療を含め、曖昧な部分がクリアーになった。猫の難治性呼吸器疾患の治療の開始のタイミングも現在の治療法がわかった。さらに猫の難治性歯肉口内炎あるいはリンパ球性形質細胞性歯肉口内炎といわれていたものは実は歯肉炎と歯周炎がメインでそれに口内炎が存在するものをいうそうです。その治療は歯周病に対するもので、重度のものは臼歯抜歯または全抜歯が必要になる。その他に猫の麻酔と疼痛管理に関してWASABAのガイドラインを含めた薬剤の使用法の紹介、さらには猫の下部尿路疾患の外科テクニック、猫のウイルス学の最新情報や猫特有の眼病の診断治療など大変役に立つ内容だった。