30日(土)と31日(日)の2日間行われた獣医がん学会に出席してきた。今回特に聞きたかったのは最近注目のインターベンショナル・ラジオロジー腫瘍学の権威であるニューヨーク・アニマルメディカルセンターのDr.chick Weisse のセミナーともう一つは前縦隔腫瘍の診断治療についてだった。インターベンショナル・セラピーとはX線透視化で体内に各種カテーテルを使って狭窄部にはステントを入れたり、閉塞している場合は特殊なカテーテルでバイパスをつくったり、腫瘍の治療では局所に動脈内注入化学療法を行なったりすることができる治療法だ。これらの術式は優しいように見えるが、聞くとやるとでは全く違うので、ある程度熟練が必要なのは言うまでもない。今後当院で実施できそうなものを選んで実施していきたいと考えている。また前縦隔腫瘍には主に胸腺腫とリンパ腫が多いが、この2つの腫瘍の鑑別と胸腺腫の周囲の血管を巻き込んだものや癒着がひどいものの切除についてのコツなどを知りたかった。しかしCT検査などを駆使しても癒着についてはその場その場で判断しなければならないことが多いということだった。また血管や神経を巻き込んでいるものについては摘出手術のリスクが高くなるため、その場合は放射線療法になる。また完全切除が難しいので術後の放射線照射または術前に照射してマスの減弱を図ってからのオペということもある。いずれにしても術者の経験と技術力が必要ということになるだろう。
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