1月23日と24日の2日間、米国獣医神経科専門医を取得し、日本の規模の大きな2つの動物病院に勤務されている金園晨一先生の講義に出席してきた。1日目は診断に役立つ行動や歩様を診て神経学的病変部位を特定するコツやてんかんの重積の管理の方法、また急性の脊髄障害では脊椎骨髄炎や椎間板脊椎炎の診断治療、更に繊維軟骨塞栓症の病態生理やまれだとは言われているが犬の大動脈血栓症の原因や病態などが面白かった。2日目は頭蓋内圧に関連する脳浮腫の原因と管理。脳ヘルニアや脳虚血の病態、また聞きなれなかったクッシング反射についてや外傷性脳損傷の診断と治療、最近多くなっている中枢神経系の腫瘍について(大脳の腫瘍犬63%、ネコ87%)多臓器に23%別の腫瘍、個々の腫瘍、例えば髄膜種や顆粒細胞腫、膠細胞腫、星状膠細胞腫、稀突起膠細胞腫、脈絡叢腫瘍、脳リンパ腫、組織球肉腫、末梢神経鞘腫、下垂体腫瘍、先端巨大症(インシュリン抵抗性の猫の32%)などそれぞれの症状や診断・治療などを勉強することができた。最後に全身性LowerMotorNeuron疾患についての講義で、MRIの要らない全身性麻痺の診断、つまり歩様状態や神経・筋の症状及びその他の臨床検査などで診断ができるというものだった。いつも海外の先生の3日間の通訳付きの講義と違って、日本の専門医の2日間12時間の講義は実に充実した内容だった。