6月12日に米国獣医臨床病理専門医である小笠原 聖悟先生が講師のJAHAセミナー『THE 臨床病理診断学 ~ディスカッション型 症例から学ぶ臨床診断』に出席してきた。
このセミナーは少人数参加(8名)で小笠原先生とディスカッションをし、その内容をもとに顕微鏡で一緒に細胞を診ながらすすめていくセミナー形式である。
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・貧血の症例にはしばしば鉄剤を投与する
・球状赤血球の評価に自信が持てない
・発熱があり総白血球数も高いので、抗菌薬を投与することがある
・出血傾向がないようなら、血小板減少症はそれほど気にしない
・UPC上昇時の鑑別診断があいまいである
・移行上皮癌の診断に自信がない
・ALP上昇の原因をどのように判断するか迷うことがある
・多飲多尿の症例で、血液検査に異常がない時には、早めに水分奪取試験を行う
・内分泌検査の結果解釈に不安がある
この中で1つでも『はい』と答えてしまった先生には特におススメのレクチャーです。
JAHAホームページより転載
https://www.jaha.or.jp/training/seminar/vet/cytologyws2019/
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12月まで合計4回のセミナーで今回のテーマは『血液疾患(貧血や白血球の評価)』であった。
配布された資料は患者情報とCBC(一般血球検査)のデータのみ記載されているものだけだったので驚いたが、一つ一つ丁寧に、その意義と意味を参加者とともに読み解いていった。
血液の評価方法・アプローチ・考え方を、米国獣医臨床病理専門医と一緒に考えながら学ぶ時間はとても有意義なものであった。
当院ではCBC(一般血球検査)の評価はすべての症例で血液塗抹を作成し、顕微鏡にて評価をおこなっている。
今回の講義で学んだことを、日頃の診察に活かしていきます。