日本獣医内科学アカデミーin東京国際フォーラム(2月14日~16日)

なかなか3日間連続ですべてを受講することはできなかったので、出席可能な日で興味のあるタイトルや内容の講演を受講してきた。内科全般の学会のようなフォーラムだが若い獣医師が多いせいか内容的には基礎的なものが多かった。今回一番印象に残った講演は、どうぶつの総合病院の福島建次郎先生のタイトル「日本でも気をつけたい犬・猫の感染症」で、海外ではかなり一般的な人獣共通感染症やダニ媒介性疾患や真菌感染症などがあるが、日本ではほどんどの獣医師がこれらの疾患を意識しておらず、例えば蛋白尿を呈する動物や発熱を伴う関節炎様の症状のある動物、更には免疫介在性溶血性貧血や同血小板減少症等の鑑別診断の中にこれらの疾患が入っていないのが現状だ。海外から帰国した経歴の動物は勿論、日本でも茨城県や福島県などの関東圏で実際に複数の症例が報告されているし、北海道や九州にもダニの体内にこれらの微生物が確認されているので、タンパク尿が見つかったら、鑑別診断に相当な知識が必要だが、薬剤投与の有無確認、CBC、USGは勿論、UPC、血圧測定・眼底検査等々と全身性2次性蛋白尿に関連する感染症のスクリーニング検査を実施する必要があるだろう。