日本獣医内科学アカデミーに出席して。

23日と24日の2日間、47の内科系学会・研究会が合同で開催される日本獣医内科学アカデミーに出席してきました。

今回は最近当院で特に多くなってきたリンパ腫や慢性/急性リンパ球性白血病について深く知るために集中して2日間、これらに関連した内容のみのセミナー・症例検討・シンポジウム・ディスカッションに出席してきた。連日朝9時から夕方6時半までの勉強でしたので帰宅してからやや頭痛がしてきました。

最新情報として、海外ではすでに実際の動物の臨床に応用されているリンパ腫を完治させるための治療に必要な骨髄移植についての講演を聴いてきましたが、東大の佐藤先生が簡単で、副作用の少ない、しかも費用をあまりかけない移植プロトコールを作成し、今後検証していくことになるそうです。また人の骨髄移植の第1人者である国立がん研究センターの田野崎先生も動物の骨髄移植に関してご協力をいただけるということですので、心強い限りです。

しかし、まだいくつかの課題が残っています。

1.本当に造血幹細胞移植で必要な骨髄の破壊的治療安全に行なえるか?

2.粘膜障害は耐容可能か?

3.緻密な輸血管理の体制はできているか?

4.最低1週間に及ぶ「好中球0」における感染対策が可能か?

5.幹細胞採取の技術開発は?

6.幹細胞保存の技術開発は?

しかしこれらをクリアーしていけば、動物のリンパ腫の完治も夢ではなくなります。これからの臨床試験の結果に期待したいと思います。