私は点滴療法研究会の会員で、現在動物の治療実施に向けて勉強中ですが、高濃度ビタミンC療法は人ではそれを応用したマイヤーズ・カクテル処方により色々なアレルギー疾患(気管支喘息・アレルギー性鼻炎など)偏頭痛発作・心不全・全身倦怠や慢性疲労症候群・狭心症・慢性蕁麻疹・線維筋痛症・甲状腺機能亢進症・こむら返り・生理不順・急性上気道炎・慢性副鼻腔炎・耳鳴りなどに効果があることが分かっています。また高濃度ビタミンC点滴療法そのものが、経口投与との併用により、末期進行がんのがん患者さんの生存期間が4.2倍から6倍延長するというエビデンスもあります。しかも患者さんのQOL(生活の質)も60%で良くなっています。
さらに、ビタミンC療法は放射線障害を防ぐ効果があることが分かっているのです。放射線障害が起こるメカニズムは放射線がDNAに衝突して傷害する直接障害と放射線が細胞の水分子に衝突して生まれる活性酸素がDNAを傷害する間接障害の2種類があり、直接障害は20%、間接障害は80%なのだそうです。しかもビタミンCはこの活性酸素を消去する抗酸化作用がとても強いものの1つです。防衛医大と陸上自衛隊の実験で「アスコルビン酸(ビタミンC)の前投与はマウスの大量放射線暴露による致死性胃腸症候群を防ぐ」という論文を2010年に発表しており、この論文の著者らは論文の中で次のように考察しています。”もし、原発事故や放射能テロが発生し、放射能汚染地域にいる被害者を救出する際には、レスキュー隊員が直ちにアスコルビン酸(ビタミンC)の経口投与をさせることが重要である”
そして先日、点滴療法研究会から以下の様な文献が送られて来ました。皆さんはどのように感じられますでしょうか?
【点滴療法研究会・文献速報】 ビタミンCは放射線被曝障害を防ぐ ? (防衛医大の研究続編)
原発事故の1年前に防衛医大と陸上自衛隊の研究者らは、急性被ばく障害を防御するためにビタミンCの前投与が有効であるという実験結果を論文で発表しました。
9月27日、同じ研究グループが続編とも言うべき研究論文を出しました。マウスの腹部に13Gの放射線を照射すると全例が急性胃腸壊死で死亡する。
① 照射3日前にビタミンC水溶液を250 mg/kgで3日間経口投与、②照射8時間前に250 mg/kgを経口1回投与、③照射後に経口水溶液を250 mg/kgで7日間投与の3種類の投与法を組み合わせて生存率を観察した。
個々の投与法単独の生存率は20%以下だったが、3つのビタミンC投与を全部組み合わせると、生存率は100%であった。
点滴療法研究会が提唱している放射線被ばく障害に対するビタミンC経口投与による予防を支持する論文です。
興味深いことは、自衛隊が福島原発事故時に緊急出動したとき、「トライアルとしてボランティアの自衛隊員にビタミンCを摂取させた」と記載していることです。