今年最後の院内セミナーでしたが、とても有意義な内容でした。
たまたま院長の誕生日で、美味しいケーキとサプライズプレゼントもあり、楽しい締めくくりとなりました。
11月7日~10日までハワイホノルルで開催されているハワイ獣医師会年次大会のプログラムのひとつ『呼吸器および尿路疾患の診断と治療(膀胱鏡・気管支鏡セミナー)】に参加した
内視鏡を用いた呼吸器や膀胱の検査は、ときに診断に役立つものであるが、日本ではその技術を習得するために実際に犬を用いた実習は開催されていない。
今回の実習は実際に生体を使用した数少ない機会であるため、日本を離れ、参加させていただいた。
講師はどちらもアメリカUC DavisのCarrie Palm先生とSean Hulsebosch先生のお二人にレクチャーしていただいた。
一人ひとり、すべての手技を実際に行い、アドバイスいただきました
内視鏡はSTORZ社のものを使用
レクチャーは朝から夜まで続きました
テキストや動画ではわからない細かいポイントを、実際に生体を用いて説明していただき、とても有意義な実習であった。
今回は実習のみの参加のため、ハワイの滞在は48時間ほどだったが、気候もすごしやすく、空気もきれいでした。MAHALO!
獣医師 安
日本獣医麻酔外科学会 関東地区講習会 「一次診療でも必要な集中治療」に出席 (中山)
11/3 (日) 日本獣医麻酔外科学会が主催する、カリフォルニア大学デービス校の上田 悠先生をはじめとした集中治療を専門とした講師によるセミナーに出席した。
集中治療とは24時間体制で高度医療を提供し、重症患者を治療する診療体系であり、日本の獣医療ではまだ馴染みがない言葉である。
緊急で運ばれてきた動物たちの治療は一分一秒を争う。
問診をとっている時間がない中で、どの検査が必要なのか、どの検査を優先して行うべきなのかを考えながら治療していく大切さを感じた。
集中治療の役割は3つある。呼吸管理、循環管理、中枢神経管理である。
中でも印象的だったのは呼吸管理である。しっかり呼吸ができているか、優先して状態を評価する必要がある。人工呼吸開始のタイミング、多くみられる緊急疾患の管理方法など実践で活かせる内容を学んだ。
循環管理とは全身にしっかり血液を運べているかの評価であり、中枢神経管理とは意識はあるのかなどの評価である。このように緊急疾患ではやるべきことを明確にしていくことが重要であると感じた。
当院でも緊急を要する状態で運ばれてくる動物たちは少なくない。
今回学んだ3つのことを意識して行い、命をつなげる集中治療を提供していきたいと思う。(中山)
湘南地域獣医師会セミナー 「咳を中心とした呼吸器疾患の診断と治療」に出席 (中山)
10/20 (日) 日本獣医生命科学大学 呼吸器科の藤田道郎先生の講義に出席。
呼吸器疾患の徴候として、喘鳴音、咳、呼吸困難、むかつき、喀痰排出などがある。
これらが続くことでワンちゃんや猫ちゃんが苦しいだけでなく、飼い主様も夜眠れなかったりと、とても悩まされる病態である。
今回は呼吸器専門の先生から、これらをどう考えて診断し、治療していくか、また治療に反応しない場合の新たな治療法を学んだ。
確定診断が困難であることが多々ある気管・気管支虚脱に対する鎮咳剤として、消化器疾患の薬でよく用いられるセレニア(マロピタント)がしばしば有効であるという。
咳がなかなか治まらない疾患に対してのオプションが一つ増えたことが収穫となった。
【飼い主様にご紹介したい疾患】
なかなか治らない咳の一つに慢性気管支炎がある。
この疾患はたばこや香水、アロマ、線香、消臭・除菌スプレーなど、我々が頻繁に使用する生活用品が起因していると考えられている。
これらをワンちゃんや猫ちゃんの前では控えるだけでも予防になるかもしれない。
この他に身の回りでできること、控えたほうが良いものがあれば、今後も皆様に共有していきたいと思います。(中山)