24歳で亡くなった当院の猫

23年前事故で骨折をし、当院で手術治療をした後、里親を募集したが、結局見つからず病院のマスコット猫さんになった。名前は交通事故にあったことからジーコとつけられた。その後は体力がつき元気になって、スタッフの癒しになったり、輸血のための供血猫になったりで、病院にとても貢献してくれた。数年前から慢性腎不全や最近になって慢性膵炎になったり、肝臓も悪くなり次第に衰弱し、点滴治療や食事の介助をしたりといったスタッフの努力の甲斐も無く、今朝亡くなった。今晩はお通夜をし、明日は火葬する予定だ。昨年暮れにカナダから一時帰国した土井さんにもお見舞いに来てもらったし、退職したスタッフもこのお通夜に来てくれた。推定年齢24歳。大往生のジーコでした。

皆んなのためにありがとうございました。合掌。

カナダから一時帰国した5年ぶりの元スタッフ

当院で勤務し、JAHAの1級動物看護師の資格をとった土井さんがカナダに留学し、退職してから5年ぶりに帰国し、病院に寄ってくれた。元々頑張りやさんだったのですが現在は看護師としてカナダの動物病院で働いていると言うことでした。今後もカナダが気に入っているので、向こうで生活するつもりだそうですが、その成長した様子とたくましさに感動しました。当時から世話をしていた当院の猫さんが具合が悪いことを聞かされ、是非来たかったということでしたが、当時一緒に仕事をしていた滝沢先生と目時さん(受付)もいましたので、懐かしい話に花が咲き楽しいひとときがすぎました。ボーイフレンドも一緒に連れて来てくれたのもとても嬉しかった。下の写真は滝沢先生と目時さんそして土井さんと彼氏の一緒のスナップです。是非今後もカナダで活躍され、幸せになられることをお祈りしております。

毎年恒例RDTA(救助犬訓練士協会)のパーティーに参加

12月28日、銀座の美術会館のギャラリーでNPO法人救助犬訓練士協会(RDTA)のイベント最終日に出席させて頂いた。理事長の村瀬さんとは葉山ロータリークラブの卓話者としてお招きしてお話をして頂いたり、クラブが葉山ふるさと広場に参加した際にご協力いただいたりしてからなので、かれこれ5~6年のお付き合いになります。㈱美術会館のオーナーであり、葉山ロータリークラブのメンバーでもある池田さんが救助犬の活動に共感、賛同され自社のギャラリーにて毎年12月にイベントを開催されています。この機会に色々な方に救助犬の災害時の日本だけではなく、海外でも活躍されている実績やその歴史など、できるだけ多くの方にその必要性を知って頂き、活動に必要なご寄付や犬の里親探しなどにも協力を求めています。是非ご興味のある方は協会の会員になっていただき、私からも活動に関するご理解とご協力をお願い致したいと思います。

下の写真はパーティーには毎年参加されているジェリーフジオさんが理事長にご寄付をされた時のスナップと村瀬理事長と池田さんとご一緒に撮らせていただいた写真です。

大掃除の日

25日のクリスマスの日に当院の毎年恒例の大掃除を実施した。朝は継続の患者さん達の診察が数件あり、結局10時頃からの開始になった。各部屋の担当が決まっており、それぞれがテンポの良い音楽をかけたりして、弾みをつけて動き出した。私は外壁や病院周りを担当して今回は高圧水流で汚れを落とす文明の力を使って奮闘した。全員夢中で掃除やら不用品などの整理をし、あっという間にお昼になった。12時半頃予定していた近所のインド料理のお店、アップーガルからテイクアウトしたランチを皆んなで美味しくいただいた。こちらのお店のオーナーはうちの患者さんの飼い主です。           その後は重い腰を上げてもうひと頑張り、そして4時ごろ休憩となりました。毎日病院に通っている横浜の患者さんの飼い主の方から沢山のケーキの差し入れがあり、皆大喜び。本当にありがとうございました。美味しいケーキで元気が出たところで最後の力を振り絞り残りの掃除を終え、終了したのが夜8時。                       そこからはクリスマスでもあり、お寿司パーティーとなった。当院の患者さんでもある七里ガ浜の五條(ごじょう)というお寿司と日本食のお店から出前をしていただきましたが、どれもおいしくてスタッフ全員が喜んでいました。またとても沢山の素晴らしいサービスをしていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。                毎年大掃除の時にはどなたかの差し入れがあり、飼い主の方々の優しい心遣いがとてもありがたかったです。この場をかりてあらためてお礼を申し上げます。         下の写真は大掃除の日の食事中のスナップです。

葉山中学校職業インタビュー

毎年恒例の葉山中学校職業インタビューの講師として医療系のお話をするということで、20日(木)13:30~14:30まで自己紹介から始まり、代表の生徒さんから挨拶があり、司会進行の生徒さんがクラス代表の質問者を指名し、質問者の質問に私が答えると言う流れだった。毎年色々な質問があるが興味のあるところはどんな動物を診ているのか、大変な治療はどんなものがあったかというものが多いが、今年はなかなか良い質問をしてきたクラスがあり、「動物は人間と違うところが多いと思いますが、その違いで大変な事は何ですか?」というものだ。まさにこの点が人の医療と違っているところで、まず動物は言葉がしゃべれない。そして動物種によってすべて解剖学的、生理学的、生物学的、行動学的に異なっていること。犬だけで公認犬種だけでも339種、各種団体未公認のものまで入れると700~800種、猫では69種と言ったように大変多く、これらは種類によって特異的で、遺伝的な異常を起こす疾患があったりする。また動物種によって皆、血液検査や尿検査その他の正常値がすべて異なります。獣医師はそれらをすべて理解し、知っていなければなりません。正常値を知るだけでも大変ですが、その種類に特徴的な疾患も大変沢山あります。従って、最近では犬猫以外の動物、特にエキゾチックアニマル専門の病院もあります。また整形外科専門病院や眼科専門病院などもできています・・・・。と言った説明をしてきました。下の写真は担任の先生に写していただいた写真です。

「てんかん発作」の診断治療に関する院内セミナー

院内のスタッフ向け(獣医師・看護師)セミナーをDSファーマアニマルヘルスの安藤様を講師としてお迎えし、開催した。基本的なてんかん発作の診断治療について1時間半の講演だった。とてもわかり易くためになる内容で、今までのスタンダードの薬剤と新薬、その併用の仕方、移行の仕方など、大変参考になった。下の写真は講義中のもの。

元気いっぱい野球大会

去る15日(土)南郷上ノ山公園の野球場で60歳以上のシニアの野球チーム「葉山シニアカイツ」と小学生のチーム「葉山巨人軍」との交流戦と親善試合、名づけて「元気いっぱい野球大会」が開催された。主催は葉山ロータリークラブで共催が葉山町野球協会、後援は葉山町と葉山町教育委員会で行われた。朝8時から球場の準備が始まり9時に開始、昼前に第一試合が終わり、結果は7対5の接戦で葉山シニアカイツが勝利、昨年の大敗の屈辱をはらした結果になった。二回戦は家族や友人の飛び入りOKの親善試合となり、葉山巨人軍の選手のお母様やお父様が代打になったり、友人の方達が飛び入りしての大乱戦となったが、皆さんとても楽しそうな表情でした。親善試合が終了し午後からは葉山マリーナで親睦会が行われた。葉山ロータリークラブ会長の挨拶の後、高梨葉山町長のご挨拶があり、葉山野球協会会長の小峰様の乾杯でパーティー開始。その後はバイキング料理と各種お飲み物でご歓談され盛り上がったところで、表彰式があり、勝利チームと優秀賞、敢闘賞のトロフィーの授与が行われた。そして元読売ジャイアンツの宮本監督のご挨拶とスタッフのご紹介があり、和やかなムードの中で中締めとなった。

下の写真はそれぞれのスナップ写真です。

全盲になったアーサー君で、より理解できた飼い主の方の心情

10月にうちの家族のマルチースのアーサー君の右目が原因不明の緑内障になり、当院で眼圧を下げる処置を点眼液とマンニトールという薬剤の静脈点滴と内服薬等を駆使して治療したが、ほとんど改善しないため、急遽鎌倉の眼科専門医に連れて行き診察・治療してもらった。その結果、進行していて原因ははっきりしないが、緑内障の原因が外傷性に眼球内の強膜からレンズにかけて損傷して感染をおこした為かもしれないと言うことだった。    そこで内科的には改善が難しいということで、痛みをとってあげるために眼球の摘出しかないとういことを聞かされ、家内も娘も私自身もとてもショックで、もしかしたら気がつかないうちにあの時の散歩中に枯れ草や枝か何かが刺さって起きたのではないかとか、自分の不注意でこんなことになったのではないかと、家族のそれぞれが自分を責めてしまうようになってしまいました。                           いずれにしても早急に判断して処置をしてあげないとアーサーが今この時点でも痛みに耐えているのだから、うちに戻ってきてから私が手術するより、すぐにそのまま入院している専門医の病院で手術をしていただこうということになりました。家族は皆、不憫で可哀想だと涙し、私も自分の処置が間違っていなかったのか、もっと早い処置をしたら良くなっていたのではないかと落ち込んでしまいました。                  退院の日、家内と長女がアーサーを引き取りに行ったが、家に帰って来た時には二人とも眼を真っ赤に腫らして魂のない顔つきになっていた。私も眼球摘出手術はかなりの症例を経験しているが、これほどまでに不憫に感じたことがなかった。                         そして抜糸が済んで2週間も経たないうちに、今度は残った左眼が急に羞明(シバシバ眼を細める)角膜混濁、結膜強膜の充血、眼圧の重度上昇がおきてきた。つまり急性緑内障だ。ところが通常緑内障は瞳孔が散大するのだが、アーサーの眼は瞳孔散大はなく、対光反射(光に対する反応)もなかった。今回も通常の緑内障の眼圧を下げる処置を全て実施したが、ほとんど眼圧は下がらなかったので、前回の眼科専門医に連絡したところ、他の病院に出勤していていらっしゃらないと言うことだったので、以前から評判を聞いていた横浜の眼科専門医に連絡して、すぐに家内が連れて行った。                              診察の結果、そこの専門医はこの緑内障は先天性のブドウ膜炎から続発した緑内障ではないかと言う結論を出した。年齢が若く原因が特になく、虹彩がレンズと後癒着をしており、前房にフレアー(フィブリン)や蓄膿がある。更に角膜の混濁(浮腫)、結膜強膜の充血、高眼圧(65)だった。そこではやはり通常の緑内障の内科治療では難しいと言うことで、一時的ではあるかもしれないが、虹彩に穴を開ける手術と前房水を注射器で吸引する処置をした上で、内科的な点眼液やステロイドを使って維持しようと、夜中も院長が眼圧をモニターをしたり、治療を継続してくれた。                 2日ほど眼圧が安定したため、一時退院で自宅で点眼と内服をしたが、2日後また眼圧が65まで上昇し、本人もかなり痛そうになってきたため、鎮痛剤を投与し、専門医に今後のことを相談した。                                  そして家族で話し合った結果、やはり先天性のものならば、治癒することはなく、視力回復も難しいので、本人の苦痛や将来の合併症のことを考えると、眼球の内部にシリコンボールを挿入する方法より、眼球摘出をする方が良いのではないかという結論になった。しかし家内や娘はそれについてやはりかなり抵抗があったようだが、一度右目の眼球摘出をしていたので、決断にさほど時間はかからなかった。しかし両目のない人生(犬生)を想像するだけで、家族みんなが涙してしまいました。                                翌日私の手でアーサーの眼球摘出手術をすることになり、手術が無事に終わって術後4日目、今私の膝の上にアーサーを寝かせてキーボードを打っています。         アーサーは元々先天的なブドウ膜炎をおこす素因があって、続発性に緑内障になり両目の視力を失ったことになりますが、今回のアーサーの件で、ペットの視力が消失すること、さらに眼球摘出や義眼を入れること、これらを家族の方達が知らされた時の心情が、胸が痛くなるほど良くわかりました。                         今までも視力を失ったペットの飼主にとってはとても悲しいことだとは思っていましたが、実際にここまで動物が不憫になってつらくなるとは思いませんでした。この体験を踏まえて、今後は飼主の方がこのような現実が突きつけられた時、十分理解して頂けるよう時間をかけて説明していきたいと思いました。

下の写真はアーサーが一回目の手術を終えて帰宅し、やっと一段落したので2歳の誕生日のお祝いをした時の写真で、この数日後に反対の眼の症状が出た。

中学生の職場体験

昨日1日ですが逗子の久木中学の学生2名が職場体験をしていった。2人とも積極的に診察中の動物数十件、胸水の溜まった犬のドレナージ、避妊手術、去勢手術などを真剣に見学していた。2人の内1人は将来、動物を助ける仕事につきたいという希望があるそうです。獣医師というよりも動物看護師など動物の世話をしてあげられる仕事がしたいということでした。今からそういう夢を持っていると一生懸命にやって行けば、必ず夢は実現するでしょう。

写真下は手術準備室の2名の中学生

 

 

軟部外科の認定病院指定国際セミナーに出席

日本動物病院協会(JAHA)の認定病院指定セミナー「一歩先行く軟部外科」というタイトルの国際セミナーが1日6時間で3日間連続で開催された。尿失禁の外科、特に異所性尿管の最小侵襲手術として硬性内視鏡とダイオードレーザーを用いた手術は当院でも機器は揃っているので実施可能であることを知った。また乳び胸に対する最小侵襲手術は胸腔鏡とシーリングシステムを用いた手術で乳び槽の切断と破壊により成功率88%ということなので、今後の実施も考えてみたい。その他胸腔ポートを用いた乳び胸の治療も器具が手に入ればやってみたい方法だ。また軟口蓋過長症と喉頭蓋後反の治療も確実な方法が示されたので、早速応用してみたい。気管虚脱は最近ニチノールという合金で出来た拡張型気管ステントがあり、予後も大変良くなっているそうだが、このステント1つの原価が$1100だそうなので、正に呼吸困難になった時の緊急手術に用いるものだと思った。その他犬の喉頭麻痺の診断治療、特にタイバック法について詳細な説明があったので、分かったつもりだが、実際に応用するまでにかなり練習をしないと難しい方法だ。肝臓がんの切除に自動ループ式結紮器を用いる方法は実にシンプルで確実な方法なので、実施してみるつもりだ。また今後は最小侵襲手術としての腹腔鏡や胸腔鏡を駆使した方法が次第に動物にも日常に応用されるようになっていくので、今後は症例を重ねて技術を向上させていきたいと思っている。